白砂青松
(水戸もない, L同盟)
【同人】
「よお、毛○ぃ」
両手を腰にあてて、親しげに声をかけてくるのは人ではない。
西海の鬼。
名を、長曾○部元親と言う。
縁あって目の前の男、毛○元就の式となっていた。ただの式ではない。命じられたことをするわけではなく、自分の意志で動く。
元就に意見もする。友のようなものと言われれば元就は酷く顔を歪めるが、それが二人を表現するのに一番近い言葉であった。
「我が駒が、我に何の用ぞ」
ゆっくりと振り向く元就の瞳は、わずかに不機嫌な色を宿している。
「いずれ、話が来るだろうけどな。――――雨を降らせてぇ」
「雨……だと」
「竜神と顔見知りになっておくのも、だろう?」
ちらり、と元就が元親を見る。ふんと鼻を鳴らして目を逸らす元就に、軽く肩をすくめてみせて、大股に近づきしゃがんで顔を覗いた。
「竜神との話は俺がつける。毛利、あんたは道を作ってくれ」
逸らされた目が、元親の目に戻る。それを逃すまいと、元親は顔を近付けた。
「奥州とここの間にゃ、甲斐がある」
「――――百足衆か」
タイトル | 白砂青松 |
サークル | L同盟 |
作者 | 水戸もない |
カテゴリー | 乙女向け/TL、 |
ファイル容量 | 756.17KB |